Okinawa Dialysis and Transplant Association, ODTA

 

 このたび、令和63月より沖縄県透析医会の会長を拝命いたしました名嘉栄勝です。歴代会長および関係者の皆様が築かれた伝統と実績を受け継ぎ、沖縄県の透析医療のさらなる発展と、患者の皆様が安心して治療を受けられる環境づくりに尽力してまいります。

 

沖縄県透析医会は、2008年の発足以来、透析医療の質向上と災害時の対応強化に取り組んできました。本会の主な事業内容として以下の項目を掲げています。

 

  〈沖縄県透析医会会則第3条より〉

本会は、前条の目的を達成する為に、次の事業を行う。

  1.腎不全治療に関する知識及び手技の普及活動。

  2.コメディカルスタッフの育成に関する事項。

  3.診療適正化の推進。

  4.災害対策及び感染対策

  5.沖縄県、沖縄県人工透析研究会、沖縄県腎不全対策協議会、

    社団法人日本透析医会及び関係諸団体との交流及び協調

  6.会員相互の親睦。

  7.その他前項の目的達成に必要な事業。

 

災害対策への取り組み

 

2011年の東日本大震災を契機に、本会は災害対策を重要な課題と位置づけ、県内施設のネットワーク強化や訓練の実施を進めてきました。熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018年)、そして沖縄県においても台風による長時間停電など、度重なる自然災害に直面するなかで、透析医療の継続性を確保するための支援体制を整えてきました。

 

特に、2018年の台風24号による停電を受け、沖縄県・電力会社・透析医会の協議を経て、より実効性のある支援体制が構築されました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大時には、沖縄県コロナ対策本部と連携し、透析患者の搬送・受け入れ調整を行いました。

 

そして、昨年より試験運用を開始した「透析緊急時情報共有マッピングシステム(DIEMAS)」は、20243月に全県導入が決定し、さらなる災害対策の強化が期待されています。本システムを活用し、県内各ブロックの透析施設間での情報共有を円滑に進め、災害時における透析医療の安定供給を確保してまいります。

 

沖縄県人工透析研究会・沖縄県臨床工学技士会・沖腎協との連携

 

透析医療は、医師・看護師・臨床工学技士・栄養士・ソーシャルワーカーなど、多職種が連携することで成り立っています。特に、透析装置の管理や技術的支援を担う臨床工学技士の役割は非常に大きく、沖縄県臨床工学技士会との連携を一層強化し、災害時の対応訓練や技術支援体制の整備を進めてまいります。また、患者団体である沖腎協とは、患者さんの声を医療現場に反映させるための意見交換会や啓発活動を共同で実施し、患者中心の医療を推進します。そして学術団体である沖縄県人工透析研究会と協力し、沖縄県の4600人の透析患者さん(202411月時点)へのCKD対策や生活習慣病予防の啓発活動や早期発見・早期治療の推進に努めてまいります。

 

今後も沖縄県透析医会は、関係機関との連携を深め、患者の皆様の安全と安心を第一に考えた活動を推進してまいります。会員の皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  

沖縄県透析医会
会長 名嘉栄勝

 

組織図_2025